進化発生ゲノミクス研究グループの卒業生の石井理央奈さん(2020年博士課程前期修了)、大学院生の吉田真菜さん、鈴木誠先生が中心となって行った、アフリカツメガエル幼生の終脳再生に関する論文がDevelopment Growth & Differentiation誌に掲載されました。

アフリカツメガエルは幼生の時期には終脳を損傷しても再生することが知られています。この論文ではマイクロCT(X線を照射し、物体の断面画像や立体像を得るための装置)を使って、終脳再生中のアフリカツメガエルの脳室の形態変化を詳細に観察しました。その結果、切断された終脳は約1週間以内に元の長さの80%以上に回復する一方、脳室は切断後に縮小する傾向があり、この状態が少なくとも 3 日間維持されることを見出しました。このような形態変化は、脳損傷後の大規模な修復と再生において、関連組織の恒常性維持に重要であることが示唆されます。

Ishii, R., Yoshida, M., Suzuki, N., Ogino, H., & Suzuki, M. (2023). X-ray micro-computed tomography of Xenopus tadpole reveals changes in brain ventricular morphology during telencephalon regeneration. Development, Growth & Differentiation, 65(6), 300–310. https://doi.org/10.1111/dgd.12881